1.はじめに
こんばんは。しゅんぱちです。前回はタミヤ モンキー125説明書を順々に追ってゆき、ゲート処理に必要なヤスリの番号を目安とした使い分け、フィニッシングペーパーについてなどゲート処理をメインに解説しました。
今回は引き続きゲート処理も行いつつ、メッキパーツの処理方法をメインに解説してゆきたいと思います。また初の+αポイント!!としてリアブレーキディスクをより実車らしく加工する方法を解説いたします。最後までお見逃しなく。
2.ビスについて
説明書の3項目は、前回組んだパーツを組み合わせる内容です。塗装する前に一度、どのような感じになるか仮組みをしてみましょう。仮組みをするとパーツの組付けの手順等を事前に知ることが出来て、塗装後の本組み時のトラブルも防げるのでおススメです。
細かいパーツ類は付けなくても良いので、エンジン本体とフレームだけ組んでいきます。
そしてビスについて少々。説明書に黄色で囲んだ部分があります。これはビスの原寸大のイラストになります。
キットには取り付けビスが同梱されていますがサイズが分からない時は、画像のようにイラストと照らし合わせてみましょう。
小さいビスも入っていますので取扱いに注意して紛失だけは気を付けてください!
3.メッキパーツについて
続いて4項目を見てみると、ここから更にメッキパーツが複数出てきます。前回のエンジンの項目にもメッキパーツはありましたがこの章で一気に紹介するため、あえて省きました。
バイク模型には大体メッキコーティングされたパーツが入っています。現在はマテリアルも増え、塗装でもメッキ表現が出来るようになりましたが、やはりコーティングされたメッキには光度では敵いません。
私は色々な事情でこのメッキコーティングを、あえて剥離して塗り直す時があります。場合によってはそのまま残すところも。とはいえ詳細を話すとややこしい事になるのでここでは割愛します。
今回の製作編では、このままメッキを生かして組んで行くことにします。
前回でも紹介した「アンダーゲート」です。一部のパーツには、このような状態でランナーに付いています。
切り取ると画像のようにパーツの横ではなく、下部に残るようになります。アンダーゲートは、この部分の除去を忘れがちになるので注意しましょう。
こちらが一般的なゲートです。形状により接着面や目立たない裏側に付いていることが多いです。
処理法は前回お話しした普通のパーツと同様ですが、他のメッキ面まで削らないよう慎重に除去しましょう。
パーツによっては横にゲートが来てしまい、画像のようにコーティングごと除去しなければならない場合があります。
これらを直すには方法が二つあります。
GSIクレオスから「メッキシルバーNEXT」が発売されています。エアブラシでの塗装で効力を発揮する塗料ですが元から希釈されていて、そのまま筆塗りにも使えるので便利です。塗膜も強く乾燥も早めなのでおススメです。
でも、このリタッチの方法は主にパーツの裏側や目立たない部分で使う方が最適。
というのも、先で少しお話しましたが「コーティングされたモノ」と「塗装したモノ」との光度差は明らかでリタッチしても直した部分が目立ってしまうのが難点。
ただ一番簡単な修正方法なので、ここは割り切るしかありません。
ちなみに、こちらが「メッキシルバーNEXT」をエアブラシで塗装したサンプル品です。塗装してから5年経過していますが、いまだにこの輝き!コーティング加工されたメッキより光度は落ちるものの、落ち着いた感じに仕上がるので個人的に重宝しています。
ここまで仕上げるには、下地を念入りに作業する必要があります。手間が半端ないので今回は説明を省略しますが、いずれまた機会があれば工程をご紹介したいですね。
もう一つの方法は、ハセガワの「ミラーフィニッシュ」シートです。
素材はメチャメチャ薄く、かつ伸びるので曲面でも難なく貼れてしまいます。(注:引っ張りすぎると破れます)粘着力もありますのでおススメです。
また今回のようなコーティングされたメッキと同じ光度なので、直したところが目立たないのも良いですね。
例えば画像はウインカーパーツですが、この部分も事情でパーツ表面にゲートがあり、削ることになりました。そこで「ミラーフィニッシュ」シートを削れた部分より少し大きめにカットして貼ります。すると、上図のように修正した部分の境目を目立たずに直すことができました。
あえて難点を言うと、若干の経験が必要というところでしょうか。平面であれば比較的簡単に貼れますが、曲面になった時はシワをなるべく作らないように貼らなければなりません。
こればかりは実際に手を動かさないと身に付かないので、以上の2つの方法からやりやすい方を選んで修正に挑戦してみて下さい。
なお先ほどのパーツ(テールランプ)のところは、ミラーフィニッシュにて手直しをしています。
ざっくりと工程をご紹介すると、まずコンパスカッターにてパーツより大きめに切るためサイズを大まかに測ります。
コンパスカッターで円状にカットしたミラーフィニッシュです。5円玉のように中心内部もカットすると尚可。
あとは綿棒などで曲面に馴染ませながら少しずつ外側を貼っていき不要な部分はカットします。
気泡が入らないよう、シワが出来ないように・・・
したのですが!
画像では見えませんが少々シワが(汗)
それでもこの完成度!
いやー全体を貼るのは難しいですよ・・・という方は
コーティングが剥がれた周辺のみ貼ってみても良いでしょう。
参考までに。
そしてアドバイス書にも書いていますが、メッキパーツを接着する時は、接着面のメッキをヤスリ等で削り落としましょう。これ大事です。
メッキパーツ同士、接着しても問題ない所は付けてしまいましょう。4項目では画像のテールランプ周辺のパーツを付けても大丈夫です。
ちなみにこちらが、私が普段使っている「ブラシ付き瞬間接着剤」です。模型誌で掲載される作例の製作は締め切りと時間との戦いでもあるので少しでも製作時間を短縮すべく、大部分は瞬間接着剤を使用しています。
それで瞬間接着剤に限らずほとんどの種類にはブラシが付いていますが、このブラシのみ使うと特に細かいパーツを接着する時に、必要以上に接着剤が付いてしまいドエライことになるので・・・
画像のようなシートや、百均ショップでもある紙皿などを使用し、接着剤を少量落として・・・
4.クリアーパーツについて
4項目にはクリアーパーツも出てきます。クリアーパーツもメッキパーツ同様に少し丁寧に扱う必要があります。
前回のゲート処理でもお話ししましたが、切る時は少々ゲート跡を残した状態で切りましょう。
と言うのも、ニッパーで切った時ゲートは押しつぶされた状態になりクリアーパーツの場合、その力がパーツの表面や内部まで波及して白化することがあります。
厄介なのは内部まで白化した時で、こうなった場合は修正が非常に厳しくなるので注意してください。
「しゅんぱちさん、何を言っているのか…分かんないよ」
という方は一度クリアーパーツのランナー(外周の部分)を、ニッパーで「試し切り」してみてください。切った周辺が白くなるはずです。
話を戻します。小さめのパーツは持ちづらいと思うので、画像のように爪楊枝に両面テープを巻いて、それにパーツを付けた状態で作業する方法もあります。
あとはデザインナイフ等のカッター系で、少しずつ削るようにカットしていきます。
カッターのみで、このくらい除去が出来れば良いでしょう。画像のテールランプは最終的にクリアーレッドで塗装するので、この程度の傷なら目立たなくなります。
他のヘッドライトカバーやウインカーパーツはそのまま使用するので、なるべくキレイに慎重に除去してください。クリアーパーツは以上です。
4項目の最後、ナンバープレートです。裏面には押しピン跡があります。突出している場合は、ヤスリで削って除去しましょう。逆に凹んで残っている場合はパテや瞬間接着剤を使って埋めます。
とりあえず4項目は以上です。
5.スイングアーム他
5と6項目に入ります。バイクの後ろ側の部分ですね。ここはまとめて行きます。
加工済みのパーツを揃えると、点数はこのくらいです。特に難しい所はありませんが強いて言うなら・・・
スイングアームの3パーツを付けて一体化する時リアタイヤの軸を通す左右の部分が、なるべく水平になっていることですかね。
ここが極端にズレるとタイヤが曲がった状態で固定してしまうので。組む時に注意してください。
こちらの画像は「リアブレーキディスク」ですが穴のモールドが外周にありますね?成型上の都合かと思うのですが、塞がっているこの部分に穴を開けます!
実車には穴が開いているのです。
ピンバイスで穴を開けてみましょう。ドリル刃のサイズは0.5㎜か0.6㎜でOKです。ちょっとしたディテールアップになりますので挑戦してみて下さい。
ちなみにピンバイスはバイク模型では用途が多いので、持っていれば重宝します。
この項目のパーツは一通り仮組みが出来ます。慣れないとタイヤのハメ込みで苦労する方もいると思うのでここで一度組んで、コツを掴んでみてはいかがでしょうか。
5と6項目は以上です。
7項目はスイングアームと左右のステップの取り付けですが、ここでは左右のステップパーツのゲート処理などの基本作業だけ行います。
ステップパーツは仮組みの時B14とB15のパーツのみ使います。とりあえず、7項目はこれだけです。
6.リアサスペンション
8と9項目はリアサスペンションとサイドスタンドです。リアサスペンションパーツはメッキコーティングされていてかつ、パーツ横にゲートが来てしまっています。
ですので処理をした後は、先の項目で書いた「リタッチ」か「ミラーフィニッシュシート」のどちらかの方法で修正してください。なお、今回はミラーフィニッシュシートで直しました。
さてここで初めて、メッキコーティングパーツに塗装作業が入ります。
リアダンパーの部分ですが画像のように塗装指定されている部分のメッキのみ削って剥がし、塗装に備えます。
コーティングの上にそのまま塗ると塗料の食い付きが悪いので、事前に剥がした方が無難です。とりあえずここでは、画像のように処理だけします。
付属の金属製のスプリングを入れて全体を見ます。もしかしたら・・・接着剤無しで組めるかもしれませんね。ハメ込んだだけでもカッチリしています。
それでは一通り、ここまでの項目のパーツを付けてみましょう。ビスを閉める時、場所によってキツイかもしれないのでゆっくり、確実に閉めて下さい。
閉め過ぎにも注意!
サイドスタンドも付けます。裏側からビスを通すので少し難儀するかもしれませんが、慌てずに。
付く分のパーツのみで仮組みした状態です。バイクらしくなってきました!このように、一度組むと全体のイメージが湧きやすくなりモチベーションも上がるので仮組みは本当におススメです。
この状態で一度、後ろ側から確認して、タイヤを含むパーツが真っすぐ付いているかを確認してみて下さい。
画像のような状態であれば問題はありません。ならなかった場合、何処かで間違って組んだ可能性があるので、これを機に見直してください。塗装前なら、まだやり直しは出来ます。
ということで、今回はここまで。ここまでくれば下準備編もいよいよ大詰め。次回は最後の下準備編の紹介になります。次回もとあるパーツの+αポイント!!を紹介します。それではまた次の記事でお会いしましょう。
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