1 .製作の前に
前回は作例を交え自己紹介が主でした。
今回から製作編に入ります。その前にコンセプトを少々。
初級編+αという内容で紹介していきますが、私の手持ちの道具を潤沢に使って作ってしまっては本末転倒。特に塗装に関しては、自前のエアブラシを使ってしまうと初心者向けにならないので、ここでは缶スプレーと筆塗りのみで仕上げていきます。使う道具を限定することで今回は私も初心に戻って作っていこうと思います。
またタイトルに「+α」と記されていますが、これはとある部分によっては私の個人的な製作方法を紹介するという意味での「+α」です。
ただ普通にキットを作るだけの内容ではつまらないと思ったので場所により「このようなやり方もありますぜ!」という誰でも簡単に出来る別の作り方を紹介します。その際には「+α ポイント!!」と記事内に記しますので参考にしてみて下さい。
最後にテーマです。これは常に私自身にも言い聞かせているのですが(笑)とにかく「焦らずジックリと」をテーマに作って下さい。
完成を急ぐと失敗を繰り返し余計な仕事が増えるだけなので(経験上)はやる気持ちを抑えつつ完成まで持っていきましょう!
ということで、お待たせしました!タミヤのモンキー125の製作スタートです!!
2 .説明書はよく読むべし
まずは箱を開けると・・・
このように「説明書」と「組み立てアドバイス用紙」が入っています。組み立てアドバイス用紙は、ごく最近タミヤのキットに同梱するようになりました。
基本的なアドバイスはもちろん画像のように最低限必要な道具も書いていますので初めてプラモデルを作る人にとっても助かりますね。どの道具も模型店で取り扱っていますので、詳しくは店員の方に聞いてみて下さい。
説明書に目を向けると先の「アドバイス用紙」同様に必要なツール、そして塗装で使う色が記されています。タミヤさんは自社で塗料も販売しているので、説明書に記されている番号はタミヤ製の塗料ナンバーです。
他に「GSIクレオス」というメーカーからも缶スプレー塗料は発売されています。お好みでそちらを選んで使っても良いでしょう。(クレオスの番号表記はタミヤと異なります)
話を戻します。指定塗料の欄には「TS-8」とか「XF-56」という番号が振られていますがこれは「ラッカー系」や「エナメル系」といったそれぞれ性質が違う塗料の種類により、表記が分けられています。
「え?ラッカー?エナメル??何それ?」という方へ
画像で赤く囲んだ部分は「缶スプレー」で、黄色の囲いは「筆塗り用塗料」と、ここでは単純に覚えてください。ちなみに青く囲んだのは「アクリル系」の塗料ですが、今回は使用しなかったので省略します。
こちらの画像が「エナメル系」塗料で「筆塗り」に使います。溶剤は用途に応じて混ぜて希釈し、粘度を調整します。
説明書をめくると、2つの異なるカラーリングのモンキー125のイラストが出てきますが、キットでは赤と黄色のどちらかを選べます。お好みで選択し、それに合わせた塗料を用意しましょう。
なお、今回の製作編では「バナナイエロー」で作っていきます。
こちらが実車の「バナナイエロー」カラーのモンキー125です。完成後のイメージとして参考程度にご覧ください。
3 .使用道具の紹介
こちらは僕が普段使用している道具の一部です。接着剤も何種類かありますが、場所によって使い分けています。また製作内では「瞬間接着剤」をかなり使いますがこれは私自身が使い慣れてしまっている事が理由で、皆様に強制するわけではありません。普通のプラモデル用の接着剤もありますので、お好みで選んでご使用ください。
ただ瞬間接着剤を使用したテクニックを今回は紹介するので、1つは持っていても良いかなと思います。
ニッパーも種類が沢山ありますが、値段も安いものから高いものまでピンキリ。個人的におススメしたいのが、画像の黄色く囲んだ部分が平らになっているニッパーです。ランナーからパーツを切った時の切り口が、平らにカットされるのでゲート処理が楽です。
とはいえニッパーも人により好みがありますので、色々使ってみて合うものを見つけてみましょう。
4 製作開始!
いよいよ本題に入りますね(汗)
バイク模型は、その車種によって工程順が多少は異なる場合があるものの大体は エンジン → フレーム → スイングアーム と リアタイヤ → フロントフォーク と フロントタイヤ → ハンドル周辺 → シート という順で組んで行くのがほとんどです。
実車のバイクを組むのとほぼ同じ工程なのでプラモデルとはいえ実車感覚で作れるのもバイク模型の魅力の一つです。
注意点としては 説明書通りに進めること。構造上、組む順番を間違えると入らなくなったりするパーツもあるのでよく説明書を読んで製作してください。「焦らずにジックリと」です(笑)
ランナーからパーツをカットする時は、画像のように少しゲート跡が残るくらいが理想です。ギリギリまで切ってしまうとパーツに深い傷が付き、直す手間が増える場合があるので注意してください。特にクリアーパーツ(透明のパーツ)では顕著にそれが表れます。これは後ほどクリアーパーツの章で詳しく。
場所によってヤスリのみで処理をすることもあり、ケースバイケースになりますが私の場合は、最初にデザインナイフである程度カットすることが多いです。
ゲート跡の長さが長いと切りづらいので、ニッパーで短くしてからカットしましょう。ケガをしやすいので「ナイフの向き」や「力加減」に注意!
次にヤスリです。現在は以前に比べて多彩なヤスリが出てきました。
ホームセンターでも売っている通常の「耐水ペーパー(紙やすり)」の他に模型店では画像のような「スポンジタイプ」や「スティックタイプ」などの種類が増えスティックタイプは面を均一に削りたい時、スポンジタイプは曲面を削る時といった用途による使い分けが出来るようになりました。揃えておくと便利ですよ。
ちなみにヤスリの目の番数についてですが、番号が低いと目が粗く、高いと目が細かくなります。
例えば、ゲート処理などの塗装前の工程では私の場合ですが400~800を使うことが多いです。
・低いほど「下地処理」用
・高いほど「仕上げ」用
と覚えても良いかもしれません。
デザインナイフでカットした後は、ヤスリ(400番)で面を平らにします。(場合によってはゲート処理の最初からヤスリ掛けしてもOKです)
画像では都合上パーツ単体で作業していますが、なるべくフレームパーツを左右付けて一体化にした後、ヤスリ作業をすることをおススメします。そうしないとパーツを合わせたときに、片側を削りすぎて段差が出来る原因となりますのでご注意を!
さて次に、またヤスリの出番ですが、これは「フィニッシングペーパー」と言います。主に仕上げに使うヤスリです。
先ほど削った部分のヤスリ傷をフィニッシングペーパーで更に面をキレイにしていきます。特に完成後に見えやすい所で行います。ちなみにこのペーパーをかけた後、その表面を触ってみて下さい。凄く肌触りが良いこと請け合いです(笑)
詳細に内容を書いてきましたが、これが「ゲート処理」という作業です。
パーツには成型の都合上「パーティングライン」という合わせ目の線が入っていますがこの部分を削っていきます。近年はこの部分をなるべく目立たないように工夫されており、場所により見つけづらかったりします。これはプラモ製作の経験を積んでいくと「大体この辺にあるかなぁ」と予想できるようになります。
なおメーカーや旧キットによっては「バリ」という成型した時に はみ出る ペラペラな部分が残っている場合があるので、それも不必要であれば除去します。
なぜここを削るのか?完成した時の作品のクオリティーを上げるため…とでも言っておきましょうか(笑)
除去方法ですが、ラインが浅め場合、僕は「カンナ削り」で作業することが多いです。刃先を少し斜めに寝かせて撫でるように削ります。なお削る際は往復しないで、一方通行で刃を動かすのがコツです。ラインが少々高めの時や、ゲートが一緒にある場合はヤスリで一気に削ってしまうこともあります。
ここでの注意点はよく調べてから削る、ということです。というのも車種やメーカーの設計により、パーティングラインなのかモールドなのか…判別が難しい場合もあります。
ここまで「基本作業」ということで
・ゲート処理
・パーティングライン消し
・バリ取り
を、それぞれご紹介しました。
左右のパーツを接着剤で付けて1番の項目は一先ず終了です。これがモンキー125のフレームになります。色塗り指定も説明書に書いていますがここでは私のやり方で、まだ塗装はしないで次の項目に行きます。
2番目の項目に入ります。項目が進んで行くと画像のようにゲートを切った後に、裏面などに残るパーツも一部あります。これは「アンダーゲート」と言って極力、パーツの表面にゲート跡を残さないよう配慮した成型方法です。「極小パーツ」や「メッキコーティング」されたパーツに比較的多く採用され最近のキットで多く見られるようになりました。もちろん、この残った部分もキレイに処理をしましょう。
説明書ではアンダーゲートを記しているイラストが載っているので、よく確認して処理忘れがないように。
2番目の項目のエンジン作業は、これだけです。(基本作業の内容は以降、省略します)画像では既にエンジン本体が組み上がっていますが塗装指定が同じ色のパーツ同士なら、一気に組むのもアリです。ただし、パーツを付けると塗りづらくなる所、色違いは付けないように。ちなみに私は画像のように分けました。
今回はここまで。次回も引き続き、製作を進めていきます。今回は紹介できませんでしたが、次回は+αポイント!!にも触れてゆきますのでお見逃しなく!
続きはこちら↓
タミヤ モンキー125を作ってみよう 初めてのバイク模型編+α 製作編その2