みなさんこんにちは、居眠富士狐です。「鉄コレをかっこよく初級編」の【後編】です。今回は塗装から完成までです。(前回の記事はこちら:鉄コレをかっこよく 初級編【前編】~分解から洗浄まで~)
目次
1.塗装の解説に入る前に…
今回は缶スプレーでの塗装を前提とした記事になっていますが、私はエアブラシで塗装しています。と言いますのも新規で缶スプレーを揃えると結構な額になりまして…。やむを得ず瓶塗料をエアブラシで吹き付けています。
しかしエアブラシをお持ちでない方でも楽しめるよう、今回使った瓶塗料と同じ缶スプレーをご紹介しますのでご安心ください。
2.塗装
床下機器のような小さいパーツは塗装しにくいので、写真のように割り箸へ両面テープを張り付けたものと接着させ作業します。
そして先に下塗り材である「プライマー」を吹き付けます。これは鉄コレの台車や一部の床下機器はABS樹脂で成型されており、プラスチック用のカラーが乗りにくい為です。ちなみに写真には写っていませんが、同時に金属製のパンタグラフもプライマーを吹きましょう。
今回はガイアノーツ製マルチプライマーを使いました。
実はこのプライマー、中身は㈱染Qテクノロジィ製の「ミッチャクロン」という商品と同一らしく、そちらを買うのでも良いと思います。またミッチャクロンシリーズには缶スプレータイプもありますので、エアブラシをお持ちでない方はこちらを使うとよいでしょう。
グレーはグリーンマックス製鉄道カラー⑨ねずみ色1号を使います。こちらも同じくグリーンマックスから缶スプレータイプが発売されています。
パンタグラフはガイアノーツ製鉄道模型カラーのライトステンレスシルバーを使いました。こちらは缶スプレータイプは出ていませんが、実際のところ銀色ならなんでも良いと思います。例えばグリーンマックス製やその他のホビーメーカー製の銀色で代用できます。
これで台車や床下機器とパンタグラフの塗装が終わりました。最初の状態から比べるとやや機械らしさが増してきたと思います。
パンタグラフはスリ板部分と碍子を塗分けます。塗料はタミヤ製エナメル系塗料のX-2ホワイトとX-34メタリックブラウンを使いました。こちらは細めの筆で色を置くように塗ります。
台車・床下機器はグレーに塗装したままでも良いですが、よりリアルに見せるためにスミ入れを行います。墨入れにはタミヤ製のスミ入れ塗料ブラックを使いました。
使い方は瓶をよく振って適当に塗料を乗せ、少し乾いた状態でエナメル系溶剤(タミヤ製X-20など)を綿棒に付けて、拭き取り使用します。
このスミ入れ塗料はエナメル系でラッカー系の塗膜は浸食しないという特徴があります。このためエナメル系溶剤で拭き取っても下地の塗膜を浸食しないという原理です。
左がスミ入れ前、中央奥がスミ入れ塗料を塗った状態、右がスミ入れ塗料を拭き取った状態です。「影」にあたる部分だけに塗料が残り引き締まった印象に見えますね。
ついでに屋根上の冷房機器のメッシュにも塗っておきました。
次は同じ塗料を使って屋根の質感を表現してみましょう。適当にスミ入れ塗料を塗った後完全に乾く前にエナメル系溶剤を染み込ませたティッシュで叩くように拭き取ります。
画像では左側が拭き取る前、右側が拭き取った後です。これにより屋根のザラザラとした質感が簡単に表現できます。
屋根や床下などのパーツが出そろったら全体にツヤ消しクリアを吹き付けていきます。
今回はMr.ホビーのMr.カラーGX114スパースムースクリアー〈ツヤ消し〉を使いました。このスーパースムースクリアーはフッ素が配合されたことにより、従来のツヤ消し塗料に比べ滑らかな仕上がりになり見栄えも向上します。
缶スプレータイプも発売されていますので、エアブラシをお持ちでない方はそちらをご利用ください。
さて、ツヤ消しクリアを吹き付けたパーツが出そろいました。なお今回は使わないパーツもまとめて塗装したので、記事では紹介していないパーツも混ざっています。
最後は車体に半ツヤクリアーを吹き付けます。この作業は写真では分かりにくいですが、元の塗装の印刷部分で「ツヤ」の具合が異なる鉄コレのツヤを整える目的で吹き付けます。
使用塗料はMr.ホビーのMr.スーパークリアー半光沢で、もちろん缶スプレーも発売されています。
3.組み立て
パーツが出そろいましたら、早速組み立てていきましょう。動力ユニットには付属のスペンサーLを切り出して取り付けます。
台車のレリーフや床下機器は簡単にはめ込め、組み立てることができます。
トレーラー車はTT-04R Nゲージ走行用パーツセットを使います。
ちなみにTT-03RとTT-04Rの違いはカプラーポケットの色の違いで、03が黒で04がグレーです。台車や床下機器がグレーなので今回は04を使うのが適切なのですが、今回は03と以前余った04のカプラーポケットを組み合わせて使用しました。
ウエイト (銀色の金属のやつです) はTT-04R付属の物を床板と内装パーツの間に設置し、台車には車輪をはめました。
カプラーは付属のアーノルドカプラーから、KATO製のKATOカプラー密連形Aグレーに交換したものを台車にはめ込みました。
あとは分解したときと逆の手順で各パーツを組み立てて床板と車体を組み合わせ「三岐鉄道101形」完成です。
4.比較
せっかくなので元の製品と今回加工した車両を比較してみましょう。左が製品そのままで、右が今回の作品です。
屋根板のザラザラとした表現はもちろん、台車にもご注目ください。元のプラスチックっぽい質感を塗装で消し、さらにスミ入れにより引き締まった印象にすることができました。
上が製品そのままで、下が今回の作品です。床下機器もスミ入れにより立体的に見えるようになりより精密な印象になりました。
こちらはパンタグラフ付きの車両です。左が製品そのままで、右が今回の作品です。パンタグラフは金属製のシャープな物に交換され、さらに細部の色入れにより精密な印象になりました。
屋根上も配管部分に墨入れ塗料が残り立体的な表現となりました。冷房機器のメッシュやルーバーも立体的になりましたが、個人的にはもう少し薄めの方が良かった気がします。今後の課題ですね…。
5.おわりに
せっかくなので完成した車両をジオラマに置いてみました。塗りなおした台車や床下機器がジオラマに映え、よりリアルに見えると思います。
いかがでしたでしょうか?鉄コレは車種も豊富で鉄道模型としては安く手軽に楽しめる鉄道模型の一つです。しかしながら本来ディスプレイモデルであるため細部が塗装されていなかったり、少し玩具っぽい印象も受けます。
そんな鉄コレをお手軽にリアルに…今回ご紹介した加工はビギナーの方にもベテランの方にもおススメな加工ばかりです。
今回の記事を参考に是非あなただけのカッコイイ鉄コレを手に入れてみてください。
それでは、みなさんまたの機会に!