ミリタリーモデルでおなじみの色
模型の塗料売り場に行くと、たくさんの塗料があります。
水性、エナメル、ラッカー、性質の違いによるものはもちろん、メーカーや用途、サーフェイサーや薄め液など、多種多様な瓶があり、目当ての塗料を発掘するのに時間がかかることも少なくありません。
小学校や中学校の美術や図工の授業で、色の三原色(赤、青、黄)があれば、どんな色でも作ることができる、そう教わったことがあると思います。
模型の塗料も"理屈のうえでは"色の三原色があればどんな色も作ることができます。それなのに、なぜ多種多様な、しかも似たような色が販売されているのでしょうか。今回は、そんな不思議な塗料の話をしたいと思います。
グレーなのにグレーじゃない
ミリタリーモデルを作るときに、よく使う色の1つにジャーマングレーという色があります。あまりにもよく使う色なので、どのメーカーからもジャーマングレーの名前のついた塗料が、しかも複数種のジャーマングレーが出ていることも少なくありません。
このジャーマングレーという色は本当に万能で、艦船模型の煙突の黒に使うと微妙に灰がかった退色具合が出て、つや消しの黒を使うよりも船体の灰色に馴染むことから自分はよく使います。
他にも戦車の履帯に使ったり(ドライブラシをしたり、墨入れすると鉄っぽい質感になる)、窪みに使って影を演出したり、最初の塗装の下地に使ったりと何かと出番が多く、迷ったらとりあえず使っておけばなんとかなるという安心感?があります。
ジャーマングレーの代わりにつや消しの黒も使えなくはないのですが、つや消しの黒を下地に使うと上に塗り重ねる色に影響が出すぎてしまったり、煙突に使うとそこだけ黒すぎて目立ってしまったりするので、つや消しの黒は使い所が難しいのです。
他にもつや消しの黒の代わりに使う色として、カウリング色(青味のある黒)、タイヤブラック(緑がかった黒)、ブラックグレー(煤けた黒のような灰色)などもよく使います。Mr.カラーをメインに使うので、Mr.カラーの色名で例をあげましたが、他社の塗料でも似たようなものはあるかと思います。
これらの青みがかかった、緑がかった、など感覚的な表現でなんとも伝えるのが難しいのですが、この質感を表現するのに、たとえば灰色に青を混ぜたとしてもうまく色を作ることが難しく、どうしてもメーカーの塗料を使わざるえないのです。
青なのか、グレーなのか
ミリタリーモデルを作るとき、選ぶのに難しい色に青っぽいグレーがあります。
零戦の下面色(二一型だと機体色)に使う明灰白色、フォッケウルフに使うライトブルー、艦船模型に使う軍艦色など、グレーというよりも青味が強く出ています。
自分はキットの説明書通りに塗装するよりも、下地に黒を使い、明るい色でハイライトを入れた若干塗装のメリハリの効いた塗装が好きなので、指定色に若干白を混ぜることが多いです。
写真の零戦二一型はキットのスケールが1/72と小さいこともあり、黒で立ち上げて灰緑色に白を入れず、かなり下地の黒を残しつつ塗装を行いました。
こちらの二式水戦は1/48スケールで、いつもよく使う明灰白色に若干の白を加えたものを使用しました。かなり青味が強くなっています。
同じ海軍機、スケールの違いはありますが、塗装の仕上げ方でこうも変わってくるとなると、やはり色々なグレーを試したくなるのは仕方のないところでもあります。
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