精密模型ブームの火付け役
自分が子供の頃、艦船模型というとたくさん集めて並べて飾る、コレクターズアイテムのような感じでした。箱の中に底の赤い板と船体の枠、一体成型された艦橋、細々としたおなじみの共通ランナーに付いている武装パーツといったシンプルな模型=艦船模型といったイメージでした。
それがいつのまにか、戦艦など大きな艦船は部品の数が数百個あたりまえ、純正、社外品問わず豊富なディテールアップパーツの数々、雑誌ではものすごく作り込まれた精密な艦船模型の特集など、近年の艦船模型ブームの高まりといったらとどまるところを知らない、異常なほどの熱気を感じます。
そんな艦船模型ブームの火付け役である、笹原大氏の単著が発売されました。
感想を一言で言うと……
凄すぎて、参考になりませんでした!眼で見て模型の凄さがわかるのだけど、その模型がどのように作られたのか、どういった原理で作られたのか理解できないとしか言いようがありません。
この本には作例の写真だけでなく、艦載機の作り方や工作の要所など、いわゆる「How to」が写真と文章で掲載されているので、同じように工作を行えば、同じようにディテールアップを行うことができます。しかし、その工作の精度が段違いに高すぎて、「How to」が誰でもできるものではない、「神技」になっています。
1円玉よりも小さいコクピッドをタガネで彫り込んだり、0.1mmの厚さのプラペーパーを加工したり、頭では技法を理解できるものの、自分の手で再現できるかというととてもじゃないけど無理だとしか言いようがありません。
しかし、参考になるところもある
著者の笹原大氏の工作室や、普段使っている道具、作業手順はとても参考になりました。これを真似するだけでも、かなり模型製作が上達しますし、普段使っている道具の大半は入手が容易なものが多数(時々出てくる自作の工具はちょっと使いこなすのが難しい)です。
とくに、ルーペを使って作業するところやタブレッドで撮影して拡大しながら作業をするところなど、自分も取り入れられそうなところがいくつかあったのがたいへん参考になりました。
最後までご覧いただきありがとうございました。カートイワークスでは模型を趣味としているスタッフによる、プラモデルの買い取りを手数料無料で行っております。
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