カートイズミーティング & カートイワークスのコラボ企画 第七弾
<後編>
第七弾となりました今回は 「市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ」 をテーマにお送りしています。
<前編>に続きシルエットフォーミュラのミニカーたちを見て行きたいと思います。
「市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ」 <前編>はこちら
トミカのセリカ・ターボ
初代セリカは独シュニッツアーでチューンされてシルエットフォーミュラに出走していました。スーパーカー少年たちは街で見かけるセリカ LBが 500馬力オーバーにチューンされて、ポルシェ935と互角の戦いをしていると聞いて、胸を躍らせました。黒いセリカ・ターボは国内レースで活躍した二世代目の童夢セリカ・ターボです。
トミカのスカイライン スーパーシルエット
シルエットフォーミュラ人気は国内に飛び火しスーパーシルエットレースが開催されました。写真のスカイラインは R30型スカイラインのスーパーシルエットです。トミカリミテッドビンテージからは桁違いの出来栄えを誇る日産三羽烏ことスカイライン、シルビア、ブルーバードが発売されていますが、写真のコカコーラロゴが入った赤いブルーバードは何だか様子が変です。
コピートミカで作ったブルーバード・シルエット
この赤いブルーバードは、コピートミカの910ブルーバードから改造されたブルーバード・シルエットです。比較用にトミカの910ブルーバードを置いています。元は910セダンですがセダンの Cピラーを切り捨て、新たに 2ドアハードトップ用 Cピラーを追加して、さらにシルエットフォーミュラ風のフェンダーや前後スポイラーを追加しています。こんな苦労して作ったブルーバード・シルエットですが、トミーテック製品を見たあとではシルエットフォーミュラではなくて、スーパーシルエットを見に来たヤンチャなお兄様方がベニヤで作った街道レーサーのようで悲しくなります。もちろんこれはトミーテック発売以前に改造したミニカーです。
「お願いだから私が苦労して改造したミニカーを発売しないでくれぇぇぇぇ・・・」と叫びたいです。
ホットウィールのポルシェ
ブリスターパックに収まっているのはポルシェ935ターボの 78年式です。銀色は同じくホットウィールのポルシェ935ターボですがこちらは 77年式です。どことなく不恰好なこれはコーギージュニアからホットウィールに渡った金型で作られたものです。
コーギーからホットウィールに渡った金型は一回か二回だけ使われその後見かけません。この935ターボは(多分)コーギージュニア金型最後の姿だと思いますが、最後に最高の姿を与えられたのだと思います。赤は 1978年式、オレンジは934ターボです。
ホットウィールのBMW
近年ホットウィールからリリースされた BMW 3.0 CSLは、まだ派手なフェンダーを纏っていないETC時代のグループ2レーサーです。東京マルイの 1/24スケールのプラモデルを思い出させる端正なスタイルです。
チープなBMW
真っ当なミニカーを紹介して来ましたが、チープや B級に脱線したい衝動を押さえることが出来ません。迷わずチープ路線に突入します。写真の 2002ターボは香港製 B級ミニカーの雄ジルメックスです。珍しいシルエットフォーミュラ仕様です。メーカー不明の 3.5 CSLターボはトミカコピーと言われますが、トミカのリアスポイラーは抜けていないのに、これは抜けています。オリジナルを超えたコピーです。
比較用に置いたトミカの 3.5 CSLターボは、サーキットの狼 京極さくら仕様です。ミリメートル模様はなんと油性ペンの手書きです。老眼なので線がヨレヨレです。
サクラとダッパーのポルシェ
左はサクラのポルシェカレラRSRターボです。箱にはカドーが併記されていますが、このダイキャストの塊のような出来栄えはサクラです。中央は似ていますがバンダイ ダッパーのポルシェカレラRSRターボです。どちらも甲乙付けがたいB級ぶりですが、バンダイのスケールモデルは意外にもプロポーション良好です。右はダッパーのポルシェ935ターボ1978年式ですが、こちらはジャンクをサルベージしてリペイントしています。手書きのラインがこれまたヨレヨレです。
ダッパーのシルエットフォーミュラ
スーパーカーブーム後半にバンダイが発売していた 3インチミニカーがダッパーです。プルバックゼンマイを内蔵し走ります。今ではキャラクター模型界をリードするバンダイですが、当事はスケールモデルも作っていました。ダッパーはプロポーションが良いのが特徴です。
ポルシェ (バンダイ/ダッパー)
ダッパーのポルシェ935ターボ 1977年式と 1978年式です。1977年式の特徴であるして膨れ気味のボディラインをダッパーが最も的確に表現しています。前述の 1978年式はあまりに速すぎてレースの面白味を無くしシルエットフォーミュラ衰退の引金を引いたポルシェです。
BMW (バンダイ/ダッパー)
ダッパーのBMWには 320ターボと M1が有ります。M1はシルエットフォーミュラでは有りませんが御容赦下さい。ダッパーは肉厚ダイキャストボディにワイドなゴムタイヤで実車以上の迫力を醸しています。
ランチア (バンダイ/ダッパー)
ダッパーのランチア ストラトスターボにもマルボロとアリタリアが有ります。このプロポーションを褒めるのは抵抗が有ります。子供が書いた絵をドラえもんが立体化したような出来栄えです。
C3 コルベット (バンダイ/ダッパー) マッチボックス
三世代目の C3コルベットは派手なフェンダーを纏って、ただでさえグラマラスな C3コルベットをいちだんとメリハリボディにしています。白いのは珍しいマッチボックスのスロットカーです。ホットウィールは近年グリーンウッドコルベットとしてリリースされたものです。
ビデオゲーム創成期にコナミの「ロードファイター」というレースゲームが有りました。ダッパーの赤いコルベットはそのゲームに出てくる赤いコルベットにそっくりです。
アサヒのシグマ500
スーパーカーブーム終焉の頃、アサヒから シグマ500というミニカーシリーズが発売されました。3インチよりやや大きめでダイキャストの重厚な作りや可動部の多さが売りでしたが、ブームに乗り遅れ、売れ残り在庫を残して消えて行きました。
ポルシェ (アサヒ/シグマ500)
シグマ500は1977年式のポルシェ935ターボを発売しました。エンジンフードが脱着出来る本格的3インチミニカーでした。
ランチア (アサヒ/シグマ500)
シグマ500もストラトスターボをミニカー化しました。張り出したフェンダーにマルボロカラーが似合います。
トヨタ セリカ (アサヒ/シグマ500)
初代セリカもシグマからリリースされていました。エンジンフード脱着可能で 500馬力オーバーの 18RGエンジンが拝めます。青いバリエーションが有るのですが、未だ出逢いがありません。
デ・トマソ(アサヒ/シグマ500)
シグマ500のパンテーラはシルエットフォーミュラというより市販車に近い姿ですが、ドアとエンジンフードが開閉する希少なミニカーです。
チープなポルシェ
メーカー不明のポルシェたちです。白いのは935ターボの 1976年式ですが、初期の丸いライトを模型化しています。何それ?という方には、タミヤ 1/24スケール 車のプラモデル ゼッケン№1のポルシェと言えば分かって頂けるのではないでしょうか?後方の銀色は935ターボの 1978年式です。トミカのコピーとされていますが、リアスポイラーが抜けているものと抜けていないものという、どうでも良いバリエーションが有ります。
チープなBMW M1
左のM1はマッチボックスです。マッチボックスには派手なスポイラーを立てたシルエットフォーミュラ仕様があるのですが行方不明なので代打で登場してもらいました。中央はホットウィールです。こちらはエンジンフードをこじ開けると、ヒンジのようになっていて開閉できるのですが、エンジンは内蔵されていません。右はマイストのM1シルエットフォーミュラです。
シュコーのグループ2レーサー
赤いのはドイツ シュコーのBMW 3.0 CSです。青いのはフォード カプリ 3100RSです。どちらもシルエットフォーミュラ前夜のグループ2レーサーです。1/66と小ぶりですが、とても精密です。
ジルの成れの果て
香港B級ミニカーブランドの雄、ジルメックスの金型が流れ流れた成れの果てで作られたミニカーです。左からランチア ストラトス、ポルシェ935ターボ、フォード カプリです。カプリはタミヤから発売されていたザクスピード カプリと言えば思い出せるのではないでしょうか?
アメリカンなシルエットフォーミュラ
左のマスタングは小型化された不人気車マスタング2のレーサーです。ジョニーライトニング製です。グンゼ産業にこれのプラモデルが有りましたが、作った記憶が有る方に会ってみたいものです。中央のパンテーラは、イマイの 3インチ プラモデルをシルエットフォーミュラ風に改造したものです。エンジンがアメリカンです。右はAFXスロットカーのシボレーモンザです。この時代のアメ車はやぼったいところが魅力です。
ぶっとび変態スタントカー
ポルシェ934/5はぶつかるとシャシからバーが突出し、横っ飛びする変態スタントカーです。そもそもグループ4の 934ターボをグループ5に改造した 934/5ターボという題材自体がレアでしたが、今年ホットウィールから大真面目に発売され話題を呼びました。シボレーモンザはこれまたぶつかるとボディがシャシから外れて吹っ飛ぶ変態カーです。お子様はこうした変態モデルが大好きです。こうした変態ミニカーを捨てられない筆者は、いつまで経っても心が子供のままで成長していないのだと思います。
フェラーリBBのシルエットフォーミュラ
冒頭フェラーリ512BB / LMを紹介しましたが、これはAFXスロットカーのフェラーリ365GT4 / BBのル・マンカーです。512も 365も一緒だろうなどと言うと、福野礼一郎 大先生に説教を食らいます。512BBのル・マン仕様は京商に素晴らしいモデルが有りますが、365BBのル・マン仕様は3インチミニカーが無いのです。それで登場したのがこのAFXスロットカーなのですが、あまりにユルイです。スーパーカー消しゴムを拡大コピーしたより醜いかも知れません。世界一美しいスーパーカー(個人的意見)のシルエットフォーミュラがこれでは悲しすぎます。
無い物は作ろう BB シルエット
3インチの365BBシルエットフォーミュラが無いのでコピートミカの512BBから改造して作ったのが赤いほうです。パテ盛りと切削を繰り返しNARTの365BB ル・マンが完成しました。黄色いのは512BBのル・マン仕様です。京商と違いほとんど市販車状態で走っていたころの固体です。スポイラーの金属感を出したくてステンレス板から切り出す際に指を怪我しましたが、完成したBBル・マンはお気に入りです。
強烈なインパクト シルエットフォーミュラ
写真は 1980年のタミヤカタログからの抜粋です。今では数百を超えるバリエーションを誇るタミヤ 1/24 スポーツカーシリーズですが、極初期の 14車種中なんと 6台がシルエットフォーミュラだったのです。見慣れた乗用車や夢のスーパーカーが派手に改造されて 300キロオーバーでバトルする。スーパーカーブームの体験世代はそんな日常と非日常が交錯するシルエットフォーミュラに、強烈なインパクトを受けたのです。F1が国民的ブームを起こしても、GT選手権が空前のサーキット動員数を誇っても、スーパーカーブーム世代がシルエットフォーミュラを忘れることは無いでしょう。
カートイズミーティング × カートイワークス コラボ企画
第七弾 市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ <前編>
第七弾 市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ <後編>
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