カートイズミーティング & カートイワークスのコラボ企画 第七弾
<前編>
今回のテーマは 「市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ」 です。今年のル・マンの優勝チームすら知らないオジサンも、ポルシェ 935ターボや BMW3.0 CSLを見るとあの熱いシルエットフォーミュラの時代を思い出します。何故でしょうか?
アフタースーパーカーブーム
日本中の少年がランボルギーニやフェラーリを追いかけたスーパーカーブームですが、1977年を迎えると勢いが衰え始めました。ブームを牽引する漫画 「サーキットの狼」 では公道グランプリが終わり、流石島レースや日光レースではスーパーカーとシルエットフォーミュラが混走するシーンが増えました。
小学館 GORO 世界最速マシン 総集編
スーパーカーを露出し尽くしたメディアは、シルエットフォーミュラを特集するようになり、 「ランボとフェラーリ、どっちが速い?」みたいな口プロレスに明け暮れていたスーパーカー少年たちは、自然とシルエットフォーミュラの世界に入って行ったのです。写真はシルエットフォーミュラを特集した当時の雑誌です。GOROというお姉さんグラビア専門誌までもがこうした特集を組んでいたのです。
お題は3インチのシルエットフォーミュラ
さて今回も 3インチ (トミカサイズ) のシルエット フォーミュラに絞って紹介します。エブロやミニチャンプスなどに素晴らしい 1/43モデルが有るのは百も承知していますが、そうした真っ当なモデルはミニカーコレクションの神様のような方におまかせして、筆者拘りの 3インチ シルエット フォーミュラの世界にお付き合い頂ければ幸いです。
主役はポルシェ
改造範囲が広いシルエットフォーミュラですが、主役はポルシェでした。写真は京商のポルシェ軍団です。黎明期のポルシェカレラ RSRターボやポルシェ 934ターボが混じっています。当事のレースカーカテゴリー分けでは グループ5に属するシルエットフォーミュラですが、この特集では厳密なグループ分けには拘らず、グループ2から 4に加え IMSAも混走しますので、 「カテゴリーが違うぞ!」 のような御指摘は御容赦下さい。
京商の ワークス ポルシェ
写真は京商のポルシェ 935ターボです。3インチの車体にマルティニストライプが繊細なラインで印刷されています。デカールや筆塗りでは再現困難な奇跡の印刷技術です。このミニカーを見ていると、タミヤの 1/12ラジコンを思い出します。
こちらも京商、カレラ RSRターボです。こちらのラインも 1/43と見紛う繊細さです。このミニカーも東京マルイ模型の 1/24プラモデルを思い出させます。
当時最良の 911プラモデルでしたが、子供のころの私にはそんなことお構いなしにモーターで走らせてクラッシュして、最後は爆竹破砕してしまいました。当時クラッシュしてボロボロになっても走り続けたラジコンと共に小さな妖精になって帰ってきたような気がします。
京商のプライベートポルシェ
同じく京商のプライベートポルシェたちです。934ターボと935ターボが混じっています。これらもタミヤの 1/12ラジコンを思い出させます。ヴァイラント、イエガーマイスター、どちらも当時から人気のカラーリングです。
伏兵 ミニチャンプス
写真はミニチャンプス / PMAのポルシェ 935ターボです。 「冒頭でミニチャンプスは扱わないと言ったではないか」 と怒られそうですが、これは1/64です。
京商に負けない出来栄えです。ケースから出したら京商と区別が付かなくなりそうです。
ポルシェに立ちはだかったBMW
レースで絶対的な速さを誇るポルシェになんとか対向していたのがBMWでした。写真は京商のBMW 3.5CSLです。
BMWワークスのストライプがポルシェに負けない精細なラインで印刷されています。直列 6気筒エンジンを積んだ乗用車がポルシェに挑む様は、日本グランプリのスカイラインを彷彿とさせます。
BMW320 と M1
写真は京商のBMW320とM1です。小さなBMW320は小気味良くポルシェを追いかけていました。M1は当初ランボルギーニとBMWの夢のコラボと言われましたが、両社の協業は進まず活躍の時期を逸しました。M1は後に日本のスーパーシルエットで活躍しました。
フェラーリのシルエットフォーミュラ
京商の 1/64 フェラーリ 512BB/LM。フェラーリのフラッグシップ ロードカーがファクトリーチューンを受けて走るという、まさにルマンのロマンを具現化したようなレースカーです。
エンジン重心高などに問題を抱えあまり勝利に恵まれなかったようですが、美しいものが速いというまさに絵になるレースカーでした。
フェラーリ デイトナ コンペ 365GTB4
写真は京商のフェラーリ 365GTB4 通称デイトナのコンペティション モデルです。プレクシガラスに覆われたヘッドライトは良いのですが、デイトナの優美なノーズラインが再現できていないような気がするのは私だけでしょうか?マーキングが無くてもの足りないので本企画5弾で登場したマグナカーのデイトナ コンペを並べています。
忘れ去られた 308 GT4
京商 フェラーリと言えば忘れ去られているのが 308GT4です。美しくて出来の良い妹 308GTBに人気をさらわれ誰にも見向きもされなかった308 GT4ですが、実はルマンを走っています。写真は京商をベースにルマン仕様に改造した308 GT4です。市販フェラーリ唯一のベルトーネデザインが最高だと思うのは私だけでしょうか?
CMsのランチア
京商が続きましたが次は CMsのランチアです。写真は CMsのストラトス ターボとベータ・モンテカルロターボです。CMsは京商に負けない精密な作りで、ラリー車を発売しまくりましたが、マニアックに過ぎて倒産しました。本当に良いものを作るブランドが倒産して、安物で本物感を演出するブランドが生き残るのは、実車もミニカーも同じなのでしょうか?
さて、ここからはトミカのシルエット車両を見てみましょう。
ポルシェ レーシング
出来の良いミニカーばかり扱っていると気を使って疲れます。ここらで温かみのあるトミカを紹介します。写真はトミカのポルシェ軍団です。935ターボの 76年式と 78年式です。極初期のカエルの目玉が残っている 76年式と、完全にフラットノーズ化され究極の進化を遂げたモビーディック 78年式です。
ゼッケン5番は何やら様子が変です。これはジャンクをリペイント/ホィール換装したものです。既に貼られていたシールを残したまま塗装し、乾燥後にシール部分の塗装を落すと言う裏技を試行した作品です。シールの厚みが塗装に隠されて良い雰囲気になったのでは思っています。
BMW レーシング
トミカからはBMW 3.0 CSLターボが発売されていました。こちらのゼッケン25番も何やら変です。これは前後スポイラーが小さな 3.0CSLを再現するため前後スポイラーを削って小さくしました。その後細かいラインを手書きしたのですが、既に老眼が始まっていた筆者の手に負える題材では有りませんでした。
この 3.0CSLがようやく完成した喜びはつかの間でした。完成後数週間を経ずに京商から全く同じ仕様が発売されました。何時間もかけてスポイラーを削った苦労は何だったのでしょうか。
ランチア
トミカからもランチア ストラトスターボが発売されていました。今では印刷不可能なマルボロカラーも鮮やかです。「ボンネットに狼マークが入った奴が無いぞ 」 と言う声が聞こえてきそうですが、サーキットの狼については別の機会にまとめますので今回は割愛します。
アルピーヌ ルノー
アルピーヌ・ルノー A310もサーキットを走りました。写真のトミカの A310の多くはノーズ先端にフォグランプを連ねたラリー仕様なのですが、赤いバリエーションはフォグランプを廃したレース仕様です。A310と言えば、エンスーな方々からはキワモノ扱いされていましたが、例の人型決戦兵器が出るアニメのおかげで一気に市民権を得ましたね。
さて、ここまでご紹介致しましたシルエットフォーミュラーのミニカー達如何だったでしょうか。<前編>はここまで。まだあの車、あのメーカーが出ていないなど<後半>はどんなマシンが登場するでしょうか。お楽しみに。
カートイズミーティング × カートイワークス コラボ企画
第七弾 市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ <前編>
第七弾 市販車の姿をした怪物 シルエットフォーミュラ <後編>
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