模型製作用の立派な工作室を持つことは模型製作が趣味であれば誰しもが持つ夢ですが、日本の住宅事情を考えるとなかなか難しいものです。
筆者もそんな夢を持ちつつも実現していないので、いろいろと工夫をしながら「小さな」工作室を使い日々模型製作に励んでいます。そんな模型製作に欠かせない道具の1つである、コンプレッサーについて語りたいと思います。
とても小さなコンプレッサー
GSIクレオス社のプチコンキュートです。おそらくGSIクレオス社で1番グレードの低いコンプレッサーではないかと思います。このコンプレッサーの良いところは、
- 低価格
- 稼働時間が1時間
- 静粛性
- 筐体がコンパクト
の4つです。1の低価格は言うまでもありません。
2の稼働時間ですが、低価格帯のコンプレッサーは短いものだと30分程度しか連続稼動を保証しないものが多い中、比較的長い稼働時間を持っています。
低価格帯のコンプレッサーは噴出する空気の量が少ないので、30分ですと1度に塗りきれないことがあります。1時間あれば1/48の飛行機や1/350の艦船模型など、よほど大きいものでない限り十分な塗装を行うことができます。
3の静粛性ですが、集合住宅などにお住まいの方や夜間塗装を行う方にとってはとても気になる性能です。
基本的にコンプレッサーは性能が上がれば上がるほど音が大きくなります。高価格帯の静粛性が高いとされるリニアコンプレッサーであってもプチコンキュートと比べると音が明らかに大きいです。
4の筐体がコンパクトというのは筆者にとって重要な性能です。
すぐに塗装に移れる軽快さ
いつも塗装はベランダで行っているので、素早く塗装ブースを展開してプチコンキュートのスイッチをオンにする、この塗装に入るまでの時間がおよそ30秒ほどになります。
これが重たいコンプレッサーですとおそらく1分以上準備にかかってしまいます。塗装したいときにすぐ塗装できるという状態が維持できないと、模型製作に必要な集中力が途切れてしまうのでとても重要なのです。
逆に悪いところは、
- 空気の噴出量が少ない
- 塗料の希釈が難しい
- 稼働時間が短い
の3つです。
1は空気の噴出量が少ないので、広い面を塗装するのに時間がかかることです。サーフェイサーや艦船模型を作るときに使う艦底色などは缶スプレーを使うことでこの弱点をカバーしています。
逆にカーモデルなど広い面を均一に塗装したいなどの用途の場合、プチコンキュートはあまり向いていないと言えます。
2は致命的な弱点です。空気の噴出量が少ないので塗料が詰まってしまわないように、プチコンキュートの場合通常よりも塗料を薄めないといけません。
そのため隠蔽力の低い白や黄色などの塗料はなかなか発色しないため、何度も塗料を塗り重ねる必要があります。筆者も適切な塗料の希釈に慣れるまで時間がかかりました。
3の稼働時間が短いですが、大きな模型を作るときにやはり感じることがあります。
エアブラシはシングルアクションのwave社の物を使っています。
雑誌などでは空気の噴出量を細かく調整できるダブルアクションのものを勧める例が多いのですが、空気の噴出量を細かく調整するほどの量をプチコンキュートは噴出することができないので、逆にシングルアクションのほうが使い勝手が良いです。また、構造がシンプルで部品点数が少ないので掃除が簡単です。
慣れた道具を使うのが一番
いろんなコンプレッサーを触れてはきたのですが、初めて購入したコンプレッサーがプチコンキュートで、使用した時間が1番長く使い慣れていることから付き合いの長い相棒のようなポジションに収まっています。
他のコンプレッサーやエアブラシのほうが性能が良く、使い勝手も良いことがわかっているのですが、慣れというのは恐ろしいものでついついプチコンキュートばかり使っています。
正直なところ、他人にプチコンキュートを勧めるか?と聞かれると、難しいところではあります。自分の経験ですと、住宅事情に合わせてコンプレッサーやエアブラシを購入するのが良いのではないかと思います。
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