コラボ企画第3弾!
カートイズミーティング & カートイワークスのコラボ企画第三弾です。今回のテーマは「奇想天外ミニカーカスタム術」です。ミニカーを改造していると、材料が無い、時間が無い、資金が無いといった様々な難問に直面します。カートイズミーティングの貧乏モデラーがこれらの難問をどうやって乗り越えたかにご注目下さい。
透明スプーンで窓を作る アオシマ フェラーリ ディノRS
サーキットの狼の主人公、吹雪裕矢が乗ったフェラーリ ディノRS (レーシングスペシャル) は現在でこそ京商の素晴らしい出来栄えのトミカサイズミニカーが入手できますが、執筆者がこれを作った 1990年代は発売されていませんでした。ディノRSはアオシマからスーパーカーブーム当事に 80円売りのチーププラモデルが発売されていたのですが、これが驚きのハイプレミア (一万円越え) で入手できませんでした。後にフリマで格安入手したスポイラー欠品の 1台が写真に写っています。このプラモデルは最初から窓が無い仕様です。タイヤも欠品でしたので京商から移植しています。
写真のフェラーリ ディノRSは、同じアオシマのチーププラモデルのディノ 246GTを改造して作ったものです。前述のディノ RSとは違う 246GTにパテを盛ったり削ったりを繰り返してボディが出来ましたが、ディノRSの特徴的な球形キャノピーをどうやって再現するかで困りました。
ふと執筆者の目に止まったのが、娘が食べていたかき氷の透明スプーンです。これを削って装着したらキャノピーが出来ました。なんともチープな出来ばえですが、初めて形を成したディノRSに当事の執筆者は満足したものです。
ヒートプレスすれば良いと言う御意見が出そうですが、あえてチープなミニカーのイメージで作るという自主基準を満たすには、ヒートプレスより氷砂糖のような透明プラスチックがぴったりでした。
マニュキアで塗装する。ホットウィール リンカーンコンチネンタル
写真の 1964年式リンカーンコンチネンタルはホットウィールからの改造です。これは何の変哲も無いリペイントですが、塗料にマニュキアを使っています。光沢の有るラメ入りピンクが派手なローライダーに似合います。このマニュキアは執筆者の生涯最愛の彼女のもので、マニュキアで塗るというアイデアもその彼女の発想でした。生涯最愛の彼女とはその後訳あって別れてしまい、このリンカーンは彼女の形見となりました。(彼女は御存命です。)松たかこのように美しかった彼女の記憶が蘇る、悲しい思い出のミニカーです。
スプーンよ、もう一度 トミカ改造ミゼット
写真のミゼットはトミカ改造です、映画稲村ジェーンに出演した超ロングサーフボードを積んだミゼットです。さてこのサーフィンボードですが、今度はアイスクリームに付いて来る木製スプーンから削りだして作りました。昔の貧乏青年はお金が無いが故に手作りの木製サーフボードを作ったと聞きますが、それを木製スプーンで再現しました。そう聞くと何やら材質にポリシーを持っているかのように聞こえますが、単にお金が無いためです。貧乏故に木製手作りというところだけが、妙にシンクロしたチープな作例です。
磨いて、磨き続けて タカラ R34 スカイライン
写真のR34 スカイラインは、タカラ 1/64 ストラクチャーモデルからの改造です。彩色済みミニカーの半完成モデルですが、この作例は彩色を剥がしてスケルトンモデルにしています。そうは言っても魔法のように塗装が落ちるわけではありません。しかも樹脂ボディですからむやみに強力な溶剤を使うとボディが溶けてしまいます。そこで来る日も来る日もエタノールでボディを磨き続けここまで透明にしました。
一日中ミニカーを磨いている執筆者に、小学生の娘が尋ねます。「お父さん、それ楽しいの?」執筆者は答えます。「お父さんはね、〇〇ちゃん(娘の名前)が楽しそうに遊んでいる姿を見ながら、こうしてミニカーを作っているのが幸せなんだよ」
「ふーん、変なミニカー!」娘はそう言うとゲーム機のほうに走って行きました。
お金が有ればマスタングでも買って、愛人と温泉旅行にでも行きたいのですが、ミニカーを作っている週末は平和でそれもまた良いのかも知れません。
盛り付けカスタム編
話題を大げさにしたり、髪型や化粧を派手にしたりすることを若者たちは「盛る」と言いますが、ミニカーカスタムにおいても特徴を目立たせるために各種パーツを盛ることが有ります。そんな盛り付けカスタムをご紹介します。
ホットウィール改造 サンドブラスター&機動隊放水車両
写真はホットウィールの不人気車種 サンドブラスターです。改造してアラブの春で反政府軍などが多用した市販ピックアップベースの戦闘車両にしました。ロールバー他を撤去してフォード Fシリーズピックアップに戻してから機関砲やドラム缶を積みました。タイヤはトミカのビックフットシリーズから拝借しました。機関砲はバンダイの屋台骨を支えているあの機動戦士から拝借しました。スケール的に大き過ぎますが、3インチミニカーはこれくらいインパクトが有ったほうが良いと思います。
同じ写真に写っている黒い現金輸送車はこれまたホットウィールの ARMORED CAR通称 現金輸送車を改造して機動隊の放水車両にしました。デモ隊などに水を浴びせる車両です。これもジャンクパーツを盛ってそれらしく仕立てています。窓のネットは実は手書きです。
トミカ改造 マッドポリス デストロイヤー 他
写真の乗用車はトミカのY30を改造した、マッドポリス デストロイヤーです。伝説のフジミのスチャラカ プラモデル マッドポリス 車両をトミカサイズで再現しています。フジミは 430でしたがそこは目を瞑って下さい。マッドマックス人気にあやかろうとした場外乱闘商品の雰囲気をトミカサイズで再現出来るかに挑戦しました。機関砲、パトランプ、V8エンジンなどを追加してリペイントしています。模型店でマッドポリスを見かけるたびに苦笑していましたが今ではプレミア価格だそうです。世の中何が人気を呼ぶかわからないですね。
同じ写真のハリネズミのような車両はハイエースを改造して造った仮面ライダーフォーゼの映画に出てくる悪役トラックです。フリマで買ったメーカー不明のチープな空港セットのタラップカーを大改造しました。2軸から 3軸に変更/タラップ(階段)を切除しタンクを装着/前スポイラーやら機関砲やらライトカバーを追加/全体的に刺状の突起やら手すりを追加/あちこち適当なディティールパーツを付けて黒塗装した後汚し塗装をしています。
まさにてんこ盛りカスタムです。実はこの映画は見ていないのですが、映画パンフレットに掲載されたこの車両を見たとたんに作りたい衝動にかられ一気に作りました。パンフの雰囲気から伝わる尋常ではない荒廃した雰囲気をなんとか立体にしたいと思って作りました。こうしたインスピレーションは大切です。
エブロ改造 貸船屋さんのトラック
写真はジェットスキーを積んだホンダ T360です。フリマにて 30円で買ったボロボロのエブロ 1/43のホンダ T360から改造しました。軽トラはキャリア台を付けて各部を汚し塗装。貸船屋さんのトラックに改造しました。ジェットスキーは、ホットウィール マッドスプラッシュの船体とホットウィール スノーライドのカウル部をつなげて作りました。潮風で朽ち果てながら積載オーバーのジェットスキーを運ぶけなげな姿が再現出来ていますでしょうか。
トミカ改造 デコトラキャリー
写真はトミカ スズキキャリーを改造した軽デコトラです。自作やら流用パーツ山盛りでデコトラにしました。流用パーツの多くはチョロQのデコトラから拝借しました。荷台を飾るのは最愛?の奥様と愛娘のプリクラです。荷台の絵柄は娘の落書き付きプリクラがそのまま使えました。撮影当事 5歳の娘は今では高校生になり、日に日に成長する娘の姿に執筆者の心配が尽きる日は有りません。
紙シール活用編 ホットウィール改造 悪魔のZ & BRE240Z
写真はホットウィール改造の悪魔の Zと BRE 240Zです。どちらもリペイントですが、BREは特徴的な赤 / 白の塗り分けにプリンタシールを併用しています。ボディサイドのゼッケンとストライプ周辺はプリンターで作った紙シールで大まかに再現し、シールが及ばない細部は手塗りして赤と白を塗り分けています。絶版のアルプス油性インクジェットプリンタが無くても、光沢紙を使えば普通の水性インクジェットプリンタでカスタム用シールは作れます。ぜひ挑戦して見て下さい。
いと楽しきミニカーカスタム人生
こんなカスタムばかりしている執筆者は、資金は有りませんが暇だけは豊富です。家族からは時折 哀れみの視線で見られますが、当の本人は楽しんでやっていますから、全く苦になりません。「やりたいことが決まっている人が最も充実した人生を送る」とどこかの文献で読みましたが、まさにそうだと思います。
前述の BRE 240Zは某雑誌主催のホットウィール 240Z カスタムコンテストで優勝しました。永いことカスタムをやっているとたまには良いこともあるということでしょうか。しかし賞を取ることが目的では有りません。楽しくカスタムして、そのミニカーを持ち寄ってカートイズミーティングの夜会で仲間たちと語り合う。これこそがミニカーカスタムの最高の楽しみだと思います。
カートイズミーティング × カートイワークス コラボ企画
第三弾 奇想天外ミニカーカスタム術
カートイズミーティング イン ハママツ 2016に参加出店しました。
カートイワークス:
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