特別企画と称して、カートイワークス広報の私RF丸山が、勝手に国内外の名車(迷車)を徹底解説する企画が始まりました。基本、誰得な企画なのでどうぞ温かい気持ちで見てやってくださいませ。
ということで記念すべき「名車(迷車)研究シリーズ」の第一回のターゲットは、スズキ カプチーノです!※題材にした理由は、なんて事ない私の現在の愛車だから、、、というイージーな考えなのでした。ということは今後身近なスタッフの車が題材になる予感・・・。
まずはスズキ カプチーノの事をまずはおさらいしましょう。
カプチーノの発売開始は今から30年も前の平成3年11月でした。今では軽自動車のABCトリオなどと言われていますね。ちょっとおさらい、AはマツダのAZ-1、Bはホンダのビート。Cはスズキのカプチーノと偶然とはいえ、綺麗にまとまっていますね(ちなみにAZ-1はスズキでもキャラという名前で発売されていました)
スズキカプチーノは、確かモーターショーにてお披露目した時、会場でも盛り上がったと記憶しております。(当時親戚のおじちゃんに連れて行ってもらった)その時、参考出展していたカプチーノは、一般ユーザーからの反響が大きいことから、すぐ発売を決めたのだと思います。当時、愛読していたベストカーの記事も大変熱のこもった内容で紹介しておりました。
そんなカプチーノが発売された1991年はちょうどバブル景気真っ最中でして、自動車メーカー各社から、規格を大きく外れた本気&挑戦的な車が多数登場していました。現代のようなマーケティング重視の車両開発では決して登場しなかったであろう意欲的な車が多かった時代なのです。その中でもカプチーノは新時代を予感させるニューカマーでした。
カプチーノは現代でも珍しい軽自動車企画のオープンカーですが、発売当時はユーノスロードスターによって一躍市民権を得ていたのでした。当時はオープンカー(カブリオレも)も決して珍しくなかったのです。カプチーノの特徴的なオープンシステムは次回ブログでじっくりと解説したいと思います。(いつになることやら…)
軽自動車としては異例すぎるカプチーノのスペックについて
スズキ カプチーノのカタログスペックは以下の通り。スポーツカーとして理想のスペックやシステム(機構)を兼ね備えていることに注目なのです。特に全長が短い軽規格では困難な重量配分など、軽自動車の規格が邪魔をして実現不可能かと思われましたが、さすが当時スパルタンなバイク(Γなど)を発売していたスズキの手にかかれば達成してしまうのですね。事実、コーナーリングではその重量配分の素晴らしさから完璧に人馬一体の感覚をドライバーに与えてくれるのでした。
<スペック>
エンジン:縦置き3気筒ツインカム16バルブ(前期はF6A、後期はアルミブロックのK6)
駆動方式:FR(後輪駆動)
サイズ:3295 x 1395 x 1185(mm) 重量:700kg(前期)/690kg(後期)
2シーター/2ドアオープンカー
そして軽自動車では異例の4輪独立懸架の足回りです。しかも4輪ともコストが大幅にかかるダブルウィッシュボーンタイプです。このサスペンション方式はレーシングカーから市販車両にフィードバックされたほど走りのアイテムなのです。つまり走りにこだわった仕様とも言えるでしょう。そのおかげか、どんな速度域でも路面の状況を瞬時にドライバーに伝え、高スピードでコーナーを旋回させる手伝いをしてくれます。ですが、理想のコーナーリングはドライバーの高いスキルや、瞬時の判断力を必要とするので私には100%の性能を発揮させることはできないのでした。
加速を司るエンジンにも注目点が目白押しです。ツインカムヘッドにインタークーラー付きターボチャージャー、自主規制いっぱいの64馬力、しかも駆動方式FR&縦置きエンジンと、普通車でもあまりなかったオールドタイプのメカニズムでした。ちなみに、年式によって、鉄製ブロックとアルミブロックの2タイプが存在しています。(私の車両は後期型タイプなのでアルミ製のK6Aエンジンです。トルクが前期型F6Aより1.8㎏.mも増加してます)しかもタイミングチェーンなので交換は原則不要です。
今となっては軽トラックにも採用されているカプチーノのDOHCカムシステムですが、当時の軽自動車にはオーバースペックであり、道路交通法の速度規制(高速道路80km/h)下では性能を発揮することはできませんでした。その性能は限られたステージでしか解放できなかったと思います。事実私も本気の走りは行動では控えております。また、クローズドサーキットでは無敵の存在でしたね。今でもバカッ速のカプチーノ使いは存在すると思います。事実数年前まで、1.3リッターのシティに食いついているカプチーノを見ております。
その他の注目点ですが、愛らしい見た目とは裏腹なクイックなハンドリングにも注目をしましょう。それにしてもダブルウィッシュボーン方式のサスペンションは路面のギャップを拾う拾う!咥えタバコでのんびり片手運転とはなかなかいきませんよ。カプチーノはある程度手に汗握るドライブを強要してくれるのです。
軽自動車初⁉枠を飛び越したカプチーノの秘密
カプチーノには忘れてはならない注目のトピックが存在します。それはタイトなコックピットです。あえてコックピットと表現しましたが、この画像を見ればその理由が理解できるかもしれません。シートとセンターコンソールの間に隙間がほぼ無いのです。シートは大柄な人では体がはみ出してしまうほど小ぶりなのです。おかげで多くのアフターパーツシートは取り付け不可のようです。(タイトなフルバケットシートでさえはみ出てしまいます。)
ドライビングは自分を中心に旋回をしているかのような感覚が魅力ですね。まさに人馬一体とでも言いましょうか?とにかく運転が好きなら一発で気に入る感覚ですよ。
シンプルな造形のメーター周り。回転系を中心としているあたりスポーツカーのことをわかっているな〜と思います。つまり速度なんかよりエンジンの回転を瞬時に把握し、コーナーをより早くぬけろ!という明確なメッセージが伝わってくるかと思います。
ちなみに私の車両はATなので上記の事項は当てはまりません(笑)。この個体は後期にしか存在しなかったATで、しかも3速になります!もちろんOver Drive(レンジ)も無く高速時のエンジン回転は半端ではないほど(少し心配になる程)。でもATだからこその利点があります、それはハンドリングに集中できることなのです。狙ったクリッピングポイントを捉えつついつもライン取りに気をつける運転が可能なのです。ATでもスポーティーな走行は可能なのだな〜と思うこの頃です。本当はMTが欲しかったのですが、軽く予算オーバーでした(笑)近年、バブル期の開発の車両の価格は鰻登りで上がっております。皆様も、今乗っているバブル設計の車両は大切にしたほうが良いかもしれませんね。
(RF丸山)
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